家具工房 蒼(そう)とは

家具工房 蒼(そう)
ー家具職人 丸山浩明ー

オーダー家具、特注家具を作る信州の工房です。
伝統的な 「手工具」や「ほぞ組」 などの技法を使い、丁寧に制作しております。
その為、長く長くご愛用頂けます。
蒼では「ほぞ組」等の『伝統的な木組み』 を使って家具を製作しています。大変手間がかかるので価格は少々上がりますが、長い目で見て頂けば「財産」となりうるものと自負しております。

『伝統的な木組み』の家具が良い4つの理由

① 長く使える
② 将来も修理しやすい
③ 強度が優れている
④ 壊れた時、木部のダメージが少ない

工房蒼が作る椅子・テーブルの『伝統的な木組み』例

「ほぞ組み」

工房蒼の家具は基本的に枘(ほぞ)で
組んでいます

「丸枘(まるほぞ)
枘(ほぞ)の切れ込みには
楔(くさび)を打ちます。

「泪組み」
箱物の組み手の一例

「蟻桟」
テーブルの天板の裏には断面が
台形の溝を掘り
「蟻桟」を付けて反りを防止。

「丸鑿(まるのみ)削り仕上げ」

「ちょうな削り仕上げ」

使用している素材・木について

①サクラ
散孔材と呼ばれる木肌の滑らかな材料で、艶があり、赤みがかった茶色で明るい感じの家具になります。いろいろな家具に使えますが、横からの材料を曲げるような力に強いので、特に脚があるような家具・テーブルや椅子などに適します。

②ナラ
塗装して空気や光に焼けてくると、褐色~黄土色っぽい色合いになります。水の通っていた管・導管が大きいので木目がはっきりしています。また木の中心から外に向かって伸びている組織・放射組織が大きいので、柾目にするとそれが特徴的に縞になって現れ「虎斑(とらふ)」と呼ばれています。欧州で「オーク」というのがこのナラで、かつて「オークの時代」と言われるほどよく家具に使われました。しかし、厚い板目の板にすると割れやすくなるため、なかなか割れのない板はありません

③クルミ・ブラックウォールナット
日本のクルミは灰色~赤みがかった灰色で、柔らかいのでソフトな肌触りの家具になります。しかし私はアメリカのクルミ・ブラックウォールナットを主に使います。日本のものより強度があり、色がはっきりしているからです。色は黒味がかった紫や、少し灰色っぽい紫で、すごく落ち着いた、渋いシックな家具になります。

④カエデ・メイプル
カエデはモミジと同じです。「カエデ」というとイタヤカエデが一般的です。色はクリーム色に近いので白を基調にしたお部屋にはなくてはならない樹種です。また、「縮み杢」「鳥眼杢」などの変わった木目が出ることも特徴です。外国産のカエデがメイプルですが日本に入ってくる物は年輪が荒く、見た目が少しのっぺりした感じがあります。カエデは乾燥した材料でも湿度・温度で曲がったりし易いのが欠点で、注意が必要です。

⑤クリ
クリは少々柔らかいですが、木目がはっきりしていて美しい材料です。その木目を生かしたテーブルなどはとても風格があります。また変わった使い方として表面を「焼く」というのもやります。これは師匠から伝授された加工ですが、木目が立体的になりちょっと面白い風合いになります。しかし、先にも書きましたが柔らかいので、椅子を造る場合はちょっとゴツイ感じに太めに作らなければなりません。

⑥ケヤキ
和家具と言えばケヤキ、と言う感じでなかなか洋家具には使われない樹種ですが、サクラに勝るとも劣らない優れた性質を持つ材です。木目がはっきりしている環孔材なので、テーブルにもいいし、外からの力にも強いので椅子なんかにも適しています。やはり風格がある材です。板によって柔らかい硬いの差が激しいですが、適材適所を守れば大丈夫です。個人的にはケヤキの椅子はとても好きです。

⑦クワ
クワとはヤマグワとその亜種のシマグワを指します。そんなに大きい木はないし、自然界にある材積も多くなかったのでほとんど木材店には出回りません。江戸指物はシマグワによって発展したのが大きいと思います。それほどシマグワは優れた材料なのです。木目の美しさ、強度、しなやかさ、仕上がりの艶、加工しやすさ、どれをとっても優れています。憧れますが、ほとんど扱ったことがありません。でもいつか、シマグワでとっても綺麗な家具を造りたいです。